フィンランド写真提供:Usenius Hiromi
日本から一番近いヨーロッパがフィンランド。人口約520万人(2008年3月27日更新分 フィンランド政府観光局HP参考)。東、名、阪からの直行便で日本から首都ヘルシンキまで9時間半で行けてしまう。北欧にありながらもちゃんと四季はあり、夏は森と湖、冬はサンタクロースにオーロラで有名。そして日本ではお馴染みのムーミンを生み、サウナ発祥の地、携帯電話のNOKIAを世界に広めた国である。しかし、何よりも驚きなのは政府までもが文化輸出のトップ・プライオリティーとして力を入れるほど、北欧メタルの中でも最もメタルに密着している国民が多いのもフィンランドの特徴だ。
日本在住フィンランド人の20代の女性、エミリー・オーマンさんに音楽事情を聞いた。
「音楽は勿論ジャズやクラシックも人気だけど、音楽チャートは殆どメタル。40代の大人から10代の子供まで聴いているの。よく隣の国のスウェーデンと比較されるけど、確かに私の育った南部の地域では7割がスウェーデン語を話すの。中部ではフィンランド語だけしか話さない地域もあるけど、大半以上の国民が学校ではフィンランド語以外にドイツ語、フランス語、そしてスウェーデン語の教育も受けるの。だけどスウェーデンとは文化は全然違う。戦争の背景もあると思うけど、スウェーデン人はまだ陽気というか、暢気というか・・・。だからABBAやROXETTE、THE CARDIGANSみたいなポップな音楽も生まれてきたわけ。
スウェーデンを跨いでノルウェーの方がもっとブラック・メタルとかあるでしょ。フィンランドと同じ。多分戦争の怒りとかそういう背景が、メタルに込められているような気がする。あくまでも私の理論だけど。スウェーデンは保守的でフィンランドはもっと個性的かな。でもノルウェーは凄く隅っこにあるからまた特別な文化があって、戦争になったら大変なので、みんな森とかにひっそり暮らしている人が多いよ(笑)。
とにかくフィンランドではポップ・ミュージックよりもメタルは国民に愛されていて、ジャーマン・メタルやIRON MAIDENみたいなイギリスのバンドも人気はあるけど、30〜50代はやっぱり古いバンドが好きかな。ちなみに私が中学生の時に最初にはまったメタル・バンドはSENTENCEDだった。ラジオでは国営放送でも普通にメタルが流れているよ(笑)。物価は日本より高いのに、コンサート・チケットは日本より断然安いね。そんな感じで・・・みんなお酒を沢山飲んで音楽を楽しむのが大好きな国民なの」
フィンランドの冬は雪も深く長い夜が続く為、何しろ大人の飲酒量は半端じゃないらしい。だが、みんなが待ち焦がれる1年で最も日が長い夏には、野外で様々なフェスティバルが目白押しになる。その中でもメタルやハードロック系のフェスが最も多い。それもそのはず、フィンランドでは軽く3,000組にも及ぶメタル・バンドが活動しているというから驚異的だ。約60,000人の若者が音楽スクールに通い、30,000人ほどがプロフェッショナル・ミュージシャンとして活躍している。そう、一昨年と昨年に吉本興業のダイノジの大地洋輔氏が二連覇を達成した“世界エアーギター・コンテスト”の開催地もフィンランドなのだ。それ以外にも数多くのコンテストが開催されており、“携帯電話投げコンテスト”(携帯を投げた距離を競い合う)や、“サウナ我慢コンテスト”、“奥さん運びコンテスト”(奥さんを運ぶ障害物競走だが、海外でも予選があり、各国のテレビ番組で紹介されるほど有名)など、非常にユニークな催し物ばかり開かれる国である。
この数年は北欧の音楽の勢いは止まらず、フィンランドではパンクから民族音楽、タンゴ、ジャズ、クロスオーバーなども際立つ中、やはりこの国のメタル好き文化は日本より先端を行っている。どうも日本ではアメリカやイギリスの音楽が中心となって紹介される傾向にあるが、メタル・ファンが一度北欧メタルの虜になると、個性的なバンドも多いせいか病みつきになるのだ。
その証拠に日本でも'80年代から根強い人気を博しているHANOI ROCKS、そして映画で一躍有名になったコミック・ロックバンド、LENINGRAD COWBOYSは日本で缶チューハイのCMにも出演し、話題をふりまいた。また近年で“森メタル“とも言われるフォーク・メタルのKORPIKLAANIや怪物のコスチュームと特殊メイクで話題になり、昨年フィンランドでは最もセールスがあったバンド、LORDIなど、トレンドを超越したオリジナリティーがあるバンドが多いのも特徴だ。
'90年代からはフィンランド語で歌うメタル・バンドも増えてきて、海外進出を目指さなくても、充分に国内でセールス的に成功している。日本でも結構フィンランドのバンドはリリースされているが、まだまだ浸透しきれていないのが現状のようだ。そこで、この夏もフィンランドでは数多くのロック・フェスティバルが開催されるので、それらに出演する注目バンドや日本でもお馴染みのアーティストをここにピックアップしてみよう。彼らを網羅すれば、新しい世界が広がり、あなたもフィンランド・ロック通として「FINLAND FEST」の楽しみ方もぐっと深まるに違いない。








































































































