Rocklahomaの最終日、GREAT WHITEのステージに飛び入りしたのは言わずと知れた、WARRANTの元ヴォーカル及びソングライターのジェイニー・レインだ。ただのヴォーカリストではないことを常に強調する彼は、WARRANT在籍中、アルバム2枚から「Down Boys」, 「Heaven」,「Sometimes She Cries」, 「Cherry Pie」, 「I Saw Red」,「Uncle Tom's Cabin」の6曲を全米チャートに送り込んだ実績を持つ。バンド自体はハードでありながら、WARRANTがデビュー当時メタル・アイドル扱いされたのには、キャッチーな楽曲やバラードのヒットに加えて、ジェイニーの甘いルックス(これもデビュー当時)が原因だったと言われる。それもそのはず、あの大ヒット曲「Cherry Pie」(邦題:「いけないチェリーパイ」)のプロモ・ビデオを観るだけで何だか懐かしいよりも恥ずかしいものがある。でも、それは多くのティーンエイジャーのハートを捉え、WARRANTの人気を不動にした魅力のひとつだった。
'92年にWARRANTを脱退したジェイニーは、その年、「Cherry Pie」のプロモ・ビデオに出演したボビー・ブラウンとの間に娘をもうけたが、バンドとのトラブルの最中、翌年離婚。(ジェイニーはその後、'96年にモデルと再婚し、その翌年また娘を授かるが、'05年に離婚している)
'94年にはまたWARRANTに戻って、その後10年活動を共にした。その中で彼は自分のソロ用の曲を書き溜めていた。'97〜'00年の間に作ったプロジェクト“Jabberwocky”のデモはeBayで$100の値がついたほど注目された。そこではエルトン・ジョンやスティング等に共通するソングライター性を発揮し、WARRANTとは全く違った音楽性が打ち出されていたが、脱退する直前のソロ・アルバム『Back Down to One』は彼の得意とするパワーポップが並ぶ作品だった。
先日亡くなったばかりのQUIET RIOTのケヴィン・ダブロウのソロ・バンド、元GUNS N’ ROSESのスティーヴン・アドラー、そしてジェイニー・レイン・バンドの3本立てで行った'04年の“Bad Boys of Metal tour”では、ジェイニーとケヴィンが揉めて、8回目の公演の後にジェイニーが降板した事件もあった。(その時、ケヴィンは「ジェイニーはトラブル野郎で周りも惨めにさせるウザイ奴」という発言をしていたが、同じツアーバスで全部のバンドが回るというタフなツアーであり、ケヴィンはスティーヴンとも2度と一緒にやりたくないと言っていた。一方ジェイニーは「パーソナルとビジネスの両面の問題。ファンの為にツアーを降板した」と表明。従って、決してジェイニーだけに問題があったように思えないのだが…)
現在は、この映像でも紹介されている17才のダリオ・ロレーナ等とソロ名義のバンド活動を行っており、この秋にアルバムがリリースされる予定と言っていたが、まだ正式なリリースは届いていない。また、RATTのボビー・ブロッツァーやロビー・クレイン、アリス・クーパー・バンドのケリ・ケリーと共にSAINTS OF THE UNDERGROUNDというバンドもやっているが、それぞれの活動がある為、どこまで本腰で継続的なのかは定かではない。
確かに…あの全盛期のジェイニー・レインとは大きく変貌したものの、頬を赤く染めて見せるあの表情は変わらず、そして彼も未来に向って前向きなミュージシャンの一人であるということを証明してくれた会見であった。


