同じ'80年代にアメリカの西海岸で誕生したロックでも、空前のメタルブームとなったLAメタルとは異なる異色サウンドが、ワシントン州郊外出身のQUEENSRYCHEだ。'83年のEP『Queen of the Reich』を自費制作すると、そのメロディックなリフに舞い上がるヴォーカルはアート・メタルと評価され、海外からは特に注目を浴びた。イギリスのハードロック・マガジン“Kerrang!”で取り上げられた彼らの噂はたちまちイギリスからヨーロッパへと広がっていく。そもそもデビュー当時に、地元のレコード店のオーナー夫婦がQUEENSRYCHEをえらく気に入ったことで、その夫婦はすぐさまマネージメントを申し出るほどの入れ込みようだった。こうしてQUEENSRYCHEは、そのオーナー夫婦独自の音楽業界のネットワークを駆使して、アメリカ北西部でのディストリビューションをあっという間に拡大していった。
その年の終わりにはメジャーレーベルが彼らの才能を嗅ぎつけ、最終的に'84年にEMIと契約。『The Warning 』(邦題:警告)でメジャーデビューし、Top100にはチャートインしたが、商業的な成功には至らなかった。しかし、その直後DIO、TWISTED SISTERといったインパクトあるベテラン・バンドとツアーを回り、QUEENSRYCHEの豊かなサウンドと洗練された楽曲を多くの観客に認められ、カルト的な人気を博していった。'86年に『Rage For Order』 (邦題:炎の伝説) をリリースし、AC/DCやOzzy, BON JOVIのサポート・アクトでツアーを回った。彼らのライヴの実力は多くのオーディエンスに受け入れられ、'88年、4作目のアルバム、『Operation: Mindcrime』は100万枚以上を売り上げる大ヒットとなり、グラミー賞にノミネートされた。この作品の評価は全世界でも非常に高く、彼らの名声を不動のものとした。
そして'90年5作目にあたる『Empire』のリリースでは、彼らの初のバラード「Silent Lucidity」やロック・アンセム 「Jet City Woman」「Another Rainy Night (Without You)」が大ヒットシングルとなり、300万枚以上のセールスを記録した。時代はちょうどメタル・シーン崩壊へ傾き、NIRVANA, PEARL JAM, SOUND GARDENなどの、QUEENSRYCHEと同じワシントン州出身のバンドが“シアトル発グランジ”旋風を巻き起こしていた。そんな中、MOTLEY CRUEやMETALLICAと並び、Monsters of Rockに出演するなど、QUEENSRYCHEは人気不動のロックバンドに成長していたのだ。18ヶ月にも及ぶ長いツアーを続けながら、初のライヴ・ビデオ&CDアルバム『Operation: livecrime』を発表した後、彼らの次のアルバム『Promised Land』(邦題:約束の地)がリリースされるまでに3年が経過した。'97年の『Hear in the Now Frontier』の頃にはプログレッシヴ色が消え、より原点に近いロックを聴かせた。
続いて '99年にEMIからアトランティック・レコードに移籍し、『Q2K』がリリースされたが、オリジナル・ギタリストのクリス・デガーモが衝撃的に脱退を表明。代わってケリー・グレイが加入した。'03年の『Tribe』ではクリスは一旦バンドに戻り、このアルバムを最後にまた脱退。今度はマイク・ストーンを迎えて、'04年のライヴ・アルバム『The Art of Live』後、次にバンドはライノ・レコードに移籍。あの伝説的な名盤と言われる作品の続編にあたる、『Operation: Mindcrime II』を'06年に発表。こうして今もQUEENSRYCHEは第一線で活躍し続けている。
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QUEENSRYCHE:
Geoff Tate - Vocal
Michael Wilton - Guitar
Mike Stone - Guitar
Eddie Jackson - Bass
Scott Rockenfield - Drums



